単なるポスティング会社ではなく、
戦略策定から頼れるビジネスパートナー


株式会社小田急百貨店
事業創造部 事業創造担当
石田 亘 様
創業 1961年6月1日
所在地 東京都新宿区西新宿1丁目1番3号
事業内容 百貨店業
小田急百貨店石田様

百貨店業界は主要な購買層の高齢化やコロナ禍で厳しい環境が続いています。そうした中、小田急百貨店町田店は新たな顧客層の開拓を命題に、SNS強化と紙媒体での新たなリーチ方法を模索していました。
コロナ禍でもリアル店舗の顧客開拓に成功したポスティング施策の取り組みや、ポスティングという枠組みを超えた新たに生まれたビジネススキームに関して、事業創造部 事業創造担当の石田 亘様にお話しを伺いました。

―はじめにポスティングに注力しようと思った経緯を教えてください。

2019年、当時、私が町田店の宣伝担当だった頃、百貨店業界は年々商売が厳しくなっており、既存の顧客だけでなく、新たな顧客開拓が大きな命題になっていました。
その中で、2019年3月に町田店が約13年ぶりに大幅な改装を実施し、様々なカテゴリーのブランドを刷新しました。
従来から我々の一番のリーチ手段は、新聞に入れる折り込みチラシでした。ネットが加速化していく中、「新たに獲得したいターゲット層は、果たして新聞を読んでいるか?」といった疑問を持つ中、SNSの強化と紙媒体の新たなリーチ方法を模索していた時、ライン社の相本さんに出会いました。

―ターゲットの集客をする上で、具体的にどのような提案を受けましたか?

町田店の顧客は比較的ご高齢の方が中心のため、新たに年齢層の若い世代やご夫婦、家族連れといったターゲットを獲得したいと考えておりました。ライン社は図面やデータをもとに注力エリアを分かりやすく提示してくださり、我々がアプローチしやすい提案が印象的でした。
例えば分譲マンションの築年数から居住者の年代層を推測するデータや、占有面積・間取り等からファミリー層が多いエリアを示すデータを頂き、ターゲットに応じて「戸建てがいいのか、マンションがいいのか」といった具体的な提案もいただきました。

深い顧客理解をもとに、コロナ禍でも顧客獲得に成功

―ポスティングを実施する上でどのような点を工夫されましたか?

配布エリアごとに効果検証ができる仕様にしました。1番反応率が高かったのは町田エリアでしたが、想定していた以上に相模大野エリアの反応率が高く、驚いたのを覚えています。それまで新聞折り込みを主軸としているところに新たな武器が作れました。一部のエリアでポスティング施策の成功体験を生み出せたため、その後、新百合ヶ丘エリアへポスティング範囲を広げました。それまで我々は、新百合ヶ丘エリアに在住の方は都心に買い物に行く傾向が強いため、下り方面に位置する町田店への来店を促すのは難しいと考えていました。
しかし、コロナ禍で、都心は「あまり行きたくない場所」として当時のニュースでも話題になっていたため、「今なら近場の町田でお買い物をするのではないか?」という仮説から、相本さんにご相談し、新百合ヶ丘エリアに同様のポスティングを行いました。
その結果、相模大野エリアの検証時と同様にとても反応率が高く、時流に対応して攻めた結果、顧客獲得に繋げることが出来ました。

―例えば、ポスティングとSNS・WEBといったデジタル施策の併用についてはどのような取り組みを行っていますか?

新たな情報ツールとしてSNSを通じた情報提供ができる仕組みを用意し、ポスティング施策でLINEやInstagramといったSNSのフォロワーを獲得するチャネルとしても活用出来るような体制を整えております。

データをもとに、ポスティング施策のPDCA検証を進める

―「ポスティングで顧客層に変化を感じた」といったことを感じることはありましたか?

百貨店は構造上、高級感や高揚感を与える意図から、店外から中が見えない「ブラックボックス化」しているため、「敷居が高い」「行きづらい」という印象が根付いており、若年層の顧客が畏まってしまうのが課題感です。
そのような状況に対して、チラシのトンマナを変えたり、来店を促進する工夫をするなど、来店して頂く施策を実施していきました。
そうした積み重ねもあり、とある日にデパ地下やデパコスのフロアを歩いた際、明らかに「あれ、ここってうちの百貨店だよね?」と思うくらい、見慣れなかった顧客が多く増えたタイミングがあり、やりがいを強く感じたことを覚えています。

―百貨店といえば、バレンタインやクリスマスなどの商戦は新規顧客を獲得するチャンスですよね。そういった商戦に対してポスティング施策はどのような位置づけで活用されていますか?

バレンタインのような顧客の購買意欲が駆り立てられる時期においては、様々な百貨店がある中、どれだけ早いタイミングで顧客の脳裏において「小田急百貨店に行こう」と思ってもらえるかが重要になります。タイミングに合わせてターゲットに情報をリーチさせ、確実に来店して頂き、初めて来店していただいた顧客に「小田急百貨店町田店の化粧品売場ってこんなに綺麗なのか」「私の好きなブランドが揃っている」といった二次効果を与えられるような顧客体験を設計しています。
1回1回のポスティング施策でどれだけリーチできるかが今まで以上に課題になってきております。効果を出してきて頂いたライン社のポスティング施策は、マーケティング予算を掛けてでもやるべきリーチの手法となっており、今も契約を継続させていただいております。

「ライン社はポスティング会社ではなく、ビジネスを伸ばすパートナー」

―ライン社にお願いして良かったことを教えてください。

ライン社は小田急百貨店の事業理解を踏まえ、戦略面から提案をしていただける点に満足しております。単純に「ポスティング出来ます」とか「金額を安く出来ます」のような「戦術」の部分、しかも「点」の部分の売り込みではなく、「過去の施策からこういった効果を得られているので、今回の形でポスティングを実施すると、これくらいの効果が見込めます」といった我々が持っていない、外部でのプロモーションの見当の付け方やリーチの響き方も交えた提案に大きな価値があると感じています。
いわゆる「自分達が思い描いている顧客はこういうところに住んでいて、確かにこの辺りに配れば来店頂けそうだね」といった、我々が具体的に想像出来る提案をして頂けます。ライン社はポスティング会社ではなく、ビジネスを伸ばすパートナーの位置づけとして見ています。
また、様々なポスティング会社から売り込みなど受けましたが、仕事の進め方のスピード感やミスが起きやすいポスティング封入の順番等へのフォローなど、きめ細かい対応が好印象です。

「三方良し」の新しいビジネススキーム構築にも貢献

―ライン社と協同で構築したサービスやビジネススキームについてもお伺いできますか?

ライン社には新たなビジネススキームの構築や取引先企業の紹介にも貢献頂いております。
私が事業創造部という新たな利益創出をミッションとする部署に異動したことをきっかけに、当社顧客の中でも購買意欲の高い、小田急レディスクラブ会員様に送付している会報誌に当社で取り扱いのない業種のチラシを入れ、クライアントから広告料を収受し、利益を得るようなスキームを企画しました。
他にも遊休スペースを利用したサンプリング企画等を通じ、新たな収益源の可能性を模索しております。グループ会社ならではの強みとして、百貨店が駅に直結しているため鉄道利用者との接点が自然に発生します。例えば、入り口付近の空きスペースを企業の販促物を配るサンプリングスペースとして貸し出すことで、百貨店の売場以外からも収益化を目指しています。
その中で、広告主様を探すにあたり、当社の営業だけでは限界があるため、ライン社に紹介頂く形で貢献頂いております。
新たな取り組みにより、既存の百貨店ビジネスでご提案することのできないサービスや商品を顧客へご提案することで、顧客の満足度やライフスタイルの向上に繋がっており、当社にとってもコンスタントに収入を生み出すことができております。また、広告主様に対しても、新たなリーチ先の拡大に繋がっており、相本さんには「三方良し」のビジネススキーム構築にも一役買っていただいております。

―今後、ライン社に期待されるサービスや取り組みなどはありますか?

当社の事業や顧客に対して理解が深いライン社から「こんなアイテムやこんな企業はどうですか?」「御社はこういう武器もありますよね?(ライン社の)顧客との取り組みも踏まえて、新しいビジネスが出来ませんか?」といった逆提案を頂けると、思い付きもしなかったような新たな取り組みが生まれるのではないかと期待しております。

もちろん高望みであることは重々承知ですが、ライン社の戦略部分に高い評価をしているからこそです。色んな意味でお互いの利益創出の拡大も図っていけたらと考えております。

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