健康食品のチラシでは薬機法に注意|表現方法やデザインのポイントも解説
健康食品のチラシを作成する際には「薬機法」を理解しましょう。薬機法を理解することは、法律を守るためだけでなく、効果的なチラシを作るためにも重要です。
薬機法を理解せずに健康食品のチラシを作成してしまうと、懲役刑や罰金刑などの罰則を受けてしまう恐れがあります。
今回は、健康食品のチラシに関する薬機法の重要性やデザインのポイント、表現方法を解説します。この記事を参考にすれば、健康食品のチラシを安全かつ効果的に作成可能です。
目次
健康食品のチラシでは薬機法に注意
健康食品チラシの薬機法に関しては、下記2つを理解しておくことが大切です。
- 薬機法とは?
- 薬機法に違反するとどうなる?
厳密に言うと、健康食品は一般食品と同じ扱いで、薬機法規制の対象ではありません。ただし、チラシの表現方法によっては、薬機法に該当する恐れがあるため注意が必要です。薬機法は、医薬品等の安全性と有効性を確保するために設けられています。健康食品のチラシを作成する前に、薬機法の知識を備えておくことが大切です。
薬機法とは?
薬機法とは、医薬品や医療機器、その他の薬物の設計、製造、流通に関する包括的な決まりを定めた法律です。正式には「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」とも呼ばれています。
薬機法は「医薬品等」の生産段階から国民の手に渡るまでの製造・販売について、一定の標準的な方法を定めることにより、国民の健康と安全を守ることを目的としています。
薬機法では医薬品を開発・販売する際には、関係企業による取引の可否、表示・広告など、一定のルールを守らなければいけません。厚生労働省や都道府県知事なども、薬機法を厳守させる義務を負っています。
薬機法に違反するとどうなる?
薬機法に違反した場合の罰則は、第83条の6から第91条までに定められています。
例えば、薬機法第85条で定められている罰則は、懲役または200万円以下の罰金です。また、営業停止、広告の中止、商品の回収などの行政指導が行われることもあります。
第八十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 第三十七条第一項の規定に違反した者二 第四十七条の規定に違反した者三 第五十五条第一項(第六十条、第六十二条、第六十四条、第六十五条の四及び第六十八条の十九において準用する場合を含む。)の規定に違反した者四 第六十六条第一項又は第三項の規定に違反した者五 第六十八条の規定に違反した者六 第七十二条の五第一項の規定による命令に違反した者七 第七十五条第一項又は第三項の規定による業務の停止命令に違反した者八 第七十五条の二第一項の規定による業務の停止命令に違反した者九 第七十六条の五の規定に違反した者十 第七十六条の七の二第一項の規定による命令に違反した者 引用:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 | e-Gov法令検索 |
また、最も重い罰として最長7年の禁固刑が定められています。最長7年の禁固刑は、登録認証機関の役員や職員による収賄がある場合が対象です。
第十八章 罰則 第八十三条の六 基準適合性認証の業務に従事する登録認証機関の役員又は職員が、その職務に関し、賄賂ろを収受し、要求し、又は約束したときは、五年以下の懲役に処する。これによつて不正の行為をし、又は相当の行為をしなかつたときは、七年以下の懲役に処する。 引用:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 | e-Gov法令検索 |
健康食品チラシで注意すべき表現方法
健康食品チラシで注意すべき表現方法は、下記の4つです。
- 病気の治療や予防効果は謳わない
- 医薬品との誤解を招く表現をしない
- 美容効果があるとは謳わない
- 特定の成分摂取に対する効果を表現しない
健康食品のチラシを作成する際には、チラシに使用されている表現に十分な注意を払うことが大切です。健康食品のチラシでは、商品に関する誤解や誤認を招くような表現が違反となる恐れがあるため注意しましょう。
病気の治療や予防効果は謳わない
健康食品のチラシを作成する際に注意すべき点として「その商品で病気が治る」「病気が防げる」といったことを謳わないことが挙げられます。病気の治療や予防効果を謳うことは、薬機法違反になります。
なぜなら、医薬品としての承認・認証を受けていない場合は、虚偽の広告や製品の能力を誇張しているとみなされるからです。
医薬品との誤解を招く表現をしない
健康食品のチラシを作成する際には、医薬品と誤解されるような表現を使わないように注意することが大切です。具体的には、下記のような表現が該当します。
- 「医療」
- 「効果」
- 「治る」
一般消費者に医薬品と誤認させるような表現は、薬機法違反となる可能性が高いため注意しましょう。上記以外にも、医薬品並みの効果があることを表現することは許されず、医薬品レベルの用量・用法を処方することも許されません。
美容効果があるとは謳わない
健康食品のチラシでは、美容効果に関する表現にも注意しましょう。美容効果があると誤認されやすい表現としては、下記のようなものが挙げられます。
- 「肌の調子を良くする」
- 「シワを減らす」
- 「老化を防ぐ」
医薬品ではない健康食品や化粧品の表現方法は、誇大広告として違反になる可能性が高いです。東京都庁も、実際の広告例として下記のような表現を挙げています。
ゴマリグナンは抗酸化作用により体内に発生したフリ-ラジカルを除去し、老化を防止します。 引用:東京都庁「ゴマの抗酸化作用について(いわゆる健康食品)」 |
上記は、抗酸化作用により体内に発生したフリ-ラジカルを除去し、老化を防止すると記載した部分が薬機法の違反字句に該当しています。
特定の成分摂取に対する効果を表現しない
健康食品のチラシでは、特定の成分の摂取による効果を謳わないようにすることも必要です。具体的には、下記のような謳い文句が挙げられます。
- 「●●のビタミンやミネラルを摂取すれば治療に役立つ」
- 「●●の成分を摂取することで認知症を予防できる」
特定の成分摂取に、美容効果や薬効があると表現すること自体が薬機法に抵触する可能性が高いため注意が必要です。
健康食品チラシの効果を上げるデザインのポイント
健康食品チラシの効果を上げるデザインのポイントは、下記の5つです。
- ユーザーの興味を惹くキャッチコピーを作る
- 画像やイラストでイメージをしやすくする
- 商品を利用するメリットを記載する
- キャンペーンや特典を盛り込む
- 購入までの導線をわかりやすくする
効果的な健康食品チラシを作成するためには、潜在的な顧客に対して商品の魅力を訴求することが大切です。上記のポイントを意識することで、より健康食品チラシの効果を引き出すことができる可能性があります。
ユーザーの興味を惹くキャッチコピーを作る
効果的な健康食品チラシを作るには、ユーザーの興味を惹くキャッチコピーを作ることが大切です。ユーザーの興味を惹くキャッチコピーにすることで「商品についてもっと知りたい」と感じてもらえる可能性があがります。キャッチコピーを考える際には、誰にでも理解できるシンプルな言葉を使うことが大切です。
例えば「100日間送料無料の健康・美容食品」のようにすることで、送料を気にしている顧客の興味を惹きやすくなります。
健康食品チラシで大切なことは、解決に導くきっかけを明確にすることです。ターゲットによって興味を惹けるポイントは異なるため、何が刺さりやすいのかを考えた上でキャッチコピーを考えましょう。
画像やイラストでイメージしやすくする
健康食品チラシの魅力を伝えるためには、画像やイラストが欠かせません。製品の外観デザインや容器、錠剤、カプセル、粉末なのかをイメージさせることが大切です。
また、商品のメッセージが伝わるような画像を選び、クオリティの高い画像を使用しましょう。イラストを使用するなら、商品に関連性があるかを確認し、商品理解を深められるかどうかが重要です。
最後に、可能な限り大きな製品の写真を掲載することが大切です。大きな画像やイラストを使用することで、名前やパッケージのデザインを記憶しやすくなり、購入を検討する際に認識しやすくなります。
商品を利用するメリットを記載する
健康食品チラシを作成する際には、商品を使用することで得られるメリットを記載することが重要です。商品が「自分の悩みを解決してくれそうだ」と感じれば、購入してもらえる可能性が高まります。
例えば、グルコサミンは軟骨を構成するアミノ糖やエビ・カニなどの甲殻類の殻に含まれる成分であり、膝や腰の関節痛を緩和する効果があります。
単に、スローガンやキャッチフレーズを入れるだけでは説得力がありません。健康食品チラシでは「商品がどのような目的で構成されているのか」や「消費者の悩みをどのように解決してくれるのか」など、商品の特徴を整理して作成することが大切です。
キャンペーンや特典を盛り込む
健康食品チラシには、キャンペーンや特典を盛り込みましょう。キャンペーンや特典は興味を惹きつけ、商品の購入を促しやすい方法となります。
例えば、時間や日付制限のある割引コードやクーポンを掲載し、読者の購買意欲を高めることがおすすめです。また、過去に商品を購入した顧客の口コミを「お客様の声」として掲載することで、信頼性が高まり新規顧客に響きやすくなります。
購入までの導線をわかりやすくする
健康食品チラシの効果を上げる最後のポイントは、購入までの導線をわかりやすく端的にすることです。購入までの導線がわかりづらいと、実際に購入には繋がりません。また、見やすいレイアウトにしただけでは、購入までの導線がわかりづらいままになっている恐れがあります。
購入までの導線をより明確にするためには、購入方法や支払い情報を細かく記載することが大切です。また購入方法や支払い情報だけでなく、店舗住所や連絡先などの基本情報も掲載しましょう。
健康食品チラシでは薬機法に注意しよう
健康食品チラシを効果的に作るには、見た目の美しさやわかりやすいデザインはもちろん、薬機法への配慮も必要です。薬機法を理解した上でチラシを作成しなければ、薬機法違反で罰則対象となる恐れもあります。
今回解説した内容を参考にチラシを作成すれば、薬機法違反になることを防止しつつ、効果の高い健康食品チラシを作成できる可能性があります。
また、チラシを初めて作成する人は、外注もおすすめです。株式会社ラインではチラシ作成からポスティングまでを一括で依頼できるため、チラシに関連する業務の手間を削減できます。薬機法に注意しつつ、効果的な健康食品チラシを作成したいと考えているなら、株式会社ラインへお気軽にご相談ください。
この記事を書いた人
ライン編集部
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